今回はその衝撃的なタイトルで話題になった『すれ違い巨大感情百合アンソロジー』の感想です。
表紙イラストはおしおしお先生。
『すれ違い巨大感情百合アンソロジー』の感想
わがままだったね、私たち。(のちむゆ)
どんな話が収録されてるのかなーと思ってページを捲ったらいきなり自殺報道されてて草も生えない。
いじめを苦に自殺してしまった女の子の彼女の後悔を綴った作品。
えっち描写あり。
後悔先に立たず(まにお)
両想いだと思っていたら相手に彼女ができたから脅して奪ってしまう話。
「付き合ってくれなかったら死ぬ」は古典的ヤンデレの手法。
幼馴染から離れようと思ったのにこんなことされたらやってられないよなー。
私は恋するヒロイン(いちごイチエ)
彼氏持ちに恋する女の子の話。
都合のいいときに体だけ使われてしまって拒めないというまあよくあるパターン。
他のアンソロジーでも似たような話があった。
泥浮かぶ月(つつい)
デリヘルで働いている女の子を好きな子が感情を爆発させて襲ってしまうという話。
直接的には描かれてないが男に暴力を振るわれてるっぽい描写があるので苦手な人は注意。
「月」がいい感じのメタファーになってる。暗いけど。
てか金持ちの社長と結婚して月に行くって剛力彩芽かな(笑)?
好きじゃない子とつなぐ手は人間の形をしている(タカハシマコ)
体の関係を拒否されてフラれた子が新しい女の子と百合えっちするけど身が入らないという話。
既にキスまではしてて親いないときに家に上がり込むとか完全に勝ち確定みたいな流れなのに拒否されるとかかわいそうすぎる。
ベテランのタカハシマコ先生らしい作品。
スノードロップ(柏木ツキコ)
好きになったころには相手の気持ちは離れていて、他の子と仲良くしてることにキレて襲ってしまう話。
ちょっと描写が雑な気もするが尺不足だったかも。
まとめ
参加作家6名というのは百合アンソロジーラッシュの中でも最少人数であり、その分一人あたりのページ数は多くなっています。
テーマがテーマなので短い尺だと描き切れない可能性が高い、というのが理由でしょう。
まあ全ての話がビターなので好みがかなり分かれるアンソロジーだと思います。直接的な描写は無いものの、男が絡む話もありますし。
2月に発売された『いちゃらぶしかない百合アンソロジーコミック』の対極にあるアンソロジーだと思ってもらえればいいです。
関連記事→『いちゃらぶしかない百合アンソロジーコミック』の感想
ハッピーエンドのいちゃいちゃが好きな人には当然ながら向いてません。『レズ風俗アンソロジー』みたいに誰もが楽しめるような内容ではないのは事実です。
関連記事→『レズ風俗アンソロジー』の感想
仮題が『泣きながら百合セックスアンソロジー』だった名残か全作品性描写ありです。一応全年齢向けですが。
ただ、もうちょっと暴れてもよかったかなという気がしないでもないです。
せっかく「すれ違い巨大感情」というタイトルを付けるのならとことん重くしても問題ないわけで。1発目がめちゃくちゃ重かっただけにちょっと尻すぼみだったかもしれません。
とはいえあれ以上は難しいのですが(笑)。
個人的には好きだったけど内容が人を選びすぎるのでどうかなーといったところです。
その強烈過ぎるタイトルから購入するか悩んでいる人の参考になれば幸いです。
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