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『秘密の花園』(著:藤井みほな)の感想 時代を先取りし過ぎた作品

百合漫画感想

今回は今から約20年前に発売された伝説の百合漫画、藤井みほな先生の『秘密の花園』の感想記事です。

『秘密の花園』のあらすじ

美園は中学1年生にして日本有数の長距離ランナー。母親の期待を一身に受け息苦しさを感じながらも抵抗できずにいた。しかし、朔耶との出会いで美園の運命は…。


秘密の花園

秘密の花園』は1999年に集英社から発売された少女漫画です。

このブログで取り上げるからには当然なのですが百合漫画となっており、右の子は女の子です。

一時期凄まじい値段となっておりかなり話題になりました。

それが理由かは不明ですが電子書籍化されることが決定し、7月1日に各種電子書籍サイトで配信となりました。

『秘密の花園』の主人公は中学1年生の長距離ランナー・美園。彼女が朔耶(さくや)と出会ったことで運命が変わっていき……というストーリーです。

この二人と朔耶の恋人である姫子が話の中心となっています。



『秘密の花園』の感想

自分は男なので「少女漫画」ってほとんど読んたことがないのですが、もの凄い「少女漫画っぽさ」は感じました。当然といえば当然ですが……

朔耶のセリフ回しがクサすぎてほんと草。当時のターゲットである女子小学生はやっぱりこういうのが好きだったんでしょうか。

最初は読者も朔耶が男だと思って読んでいるはずですが、実は女性だとわかるシーンは中盤にあります。

一応伏線としてはもっと前からあるものの、当時の読者からすれば衝撃だったと思います。

そこから先は美園は朔耶が女性だと認識しながらの話となるのでかなり百合度高め

そして朔耶の恋人である姫子がやべー奴。今風に言えばクレイジーサイコレズ。しかも血が繋がっているので背徳感が半端ではない。

昼ドラみたいなドロドロの三角関係を少女漫画でやっています。少女漫画って意外とこんなものなんですかね?

この作品は相手が同性だからとかそういう葛藤が無いのがある意味凄いです。

姫子は朔耶を当然のように愛しているし、美園も朔耶が女性だとわかっても当然のように受け入れてますからね。20年前にこの領域に達していたのか……

そしてそれを認めないのが美園の母ですが、まあ当時の価値観からすれば仕方ない部分はあります。

それ以外の場面でも美園の母はガチのクズとして描かれていて、割とどうしようもない感じです。姫子もかなりのクズですが。

単行本1冊の話でクズ2人いるのはちょっとキツいかも?

てか中学生のくせにキスマークの意味が分かる美園の友達らはマセてんな……直接的な描写はありませんが、そういうことをしたであろう描写はあります。中1やぞ。

正直なところ小学生女子をターゲットにするにはかなり無理がある作品に思えたので、当時批判されたのは仕方ないかなと。

家庭環境の複雑さとかも理解できたとは思えませんし。やはり時代を先取りし過ぎた作品だと思います。

今なら百合好きのお姉さま方には受けそうですけどね。

まとめ

20年前の作品とはいえ、百合漫画としてはかなり完成度が高いと思います。

そもそもジャンルとしての「百合」が現在の意味で普及したのは2000年代前半くらいからといわれています。単語としては1970年代からあったのですが。

「百合」という言葉すら一般的でない時代にこれを発表したのは藤井みほな先生も「りぼん」も凄いなとしか言えません。

電子書籍なら約400円と値段もかなり安いので買って読んでみてはいかがでしょうか。

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ドラマ『百合だのかんだの』も視聴可能なのでかなりおススメです。
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