かやこ先生の『ワンナイトフレンド』を読んだので感想を書いていきます。
『ワンナイトフレンド』の感想
この単行本は表題作『ワンナイトフレンド』を含んだ短編2作と中編1作で構成されています。
ワンナイトフレンド
この作品は作者のツイッターで読むことが出来ます。
目が覚めたら隣に全裸の美女が寝ていた話(百合) 読切32P (1/8)#ワンナイトフレンド pic.twitter.com/KPvMPB0Dg9
— かやこ🌺単行本5/16 (@kyceef) 2019年5月17日
読めばわかりますが、とりあえず出だしのインパクトが強いです。
果たして「その気」のない女が酔ったからってこうなるのかは謎ですが。
次の日仕事なのに記憶が無くなるまで飲むのは人としてアウトなんだよなぁ…
それはそれとしてこの作品は画力、構成力、人物の全てが高レベルでまとまっていていい作品でした。
一夜を共にしておいて着地点が(表面上は)「友だち」というのがポイントですね。
これどうせ「普通の友だち」ではいられないやつやん、ってのが容易に想像できてよかったです。
恋なんか大嫌い
3話構成の中編。作者曰く「クソ女×クソ女」。
ゆうは「サブカルクソ女」を体現したような見た目をしているだけでそこまでクソ女という印象は無いですが。えいみは誰がどう見てもクソ女だけど。
えいみのクソ女っぷりがいいんですよ。愛が重い女はほんとすこです。
それを受け入れてしまうゆうはゆうでやべー奴なのかもしれません。普通は絶交でもおかしくないですからね。
一応男キャラが出てくるものの、ザコ敵みたいなポジションなのでそこはご安心を。百合漫画における男の扱いはこういうのでいいんだよこういうので。
臆病者のイドラ
「イドラ」とは偏見や先入観のこと。
女の子は「ある程度の年齢になったらかわいいものを卒業しないといけない」とか「女の子を好きになってはいけない」なんていうのはまさにそれ。
そのような先入観から解放される話です。
この作品今年百合姫に掲載された作品の中で最も印象に残っているんですよね。もちろん掲載されたのが2019年5月号と比較的最近なのもありますが。
読み切りってあまり印象に残らないことが多いのでそれだけの良作ということでしょう。
まとめ
全体的にレベルが高く、おススメできる単行本です。表紙からえっちなのを期待してしまうとちょっと違うと思ってしまうかもしれませんが。
ちなみに全ての話にお酒が出てきます。『ユリキュール』かな?
『ユリキュール アルコール百合アンソロジー』の感想
『ユリキュール』2弾が出るならぜひかやこ先生にも執筆をして欲しいところです。
この単行本はあとがきやカバー裏、書き下ろしマンガなど単行本ならではの要素が多く、表題作『ワンナイトフレンド』はツイッターで読めるとしても単行本を買う価値はあります。
それにしても会社員やりながらこのクオリティの漫画描くのはほんとすごい。初単行本とは思えませんでした。
かやこ先生の次回作にも期待です。
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