今回はアニメ化もされた超有名百合漫画、『やがて君になる』6巻の感想を書いていきます。
ネタバレ注意
このブログで『やがて君になる』を取り上げるのは初めてですが、基本的なあらすじについては今更過ぎるので書きません。
↓アニメでこれまでの話をおさらいしたい人はこちら↓
アニメでは5巻の途中までが描かれました。
『やがて君になる』6巻の感想
生徒会劇開幕
2巻からのテーマだった「生徒会劇」。とりあえずこの作品の一つの区切りとなる部分です。
6巻のほとんどはこの生徒会劇の描写です。
5巻では劇の結末を変えることになった経緯が描かれました。5巻の内容なのでここでは深くは触れませんが。
その変更された脚本は燈子に変わってほしいという侑の願いが込められたもの。
それは「誰か」になるのではなく、「自分」になってほしいということ。
ある意味この脚本を演じるのは燈子にとっては過去の自分を否定する形になるためかなり辛い選択だったと思います。実際に脚本の変更に反対してますしね。
それでも演じ切ることができたのはやはり侑と沙弥香の後押しがあってこそです。
それにしても燈子の事を大して知らないのにこの脚本を書いたこよみ先生凄すぎる。
あとこのシーン沙弥香の素が出てる気がしてほんとすこ。
生徒会劇を終えて
劇を終えたことで燈子の中に変化が訪れます。
姉の悲願だった生徒会劇を成功させることだけに注力していた彼女ですが、劇団の監督に誘われたことで演劇を続けることにします。
以前の彼女だったら間違いなくやらなかった。劇それ自体は姉になるための手段に過ぎず、目的ではないですからね。
でもこの劇を完成させる過程を経験したことで、燈子自身が変わることが出来たわけです。
それにしてもこの表情のギャップ切ない。この後を知っていると特に。
零れる
2巻で侑が燈子のことを好きにならないと宣言したあの場所で、侑は燈子に自分からキスをして告白します。
この物語において本当に大きな転機です。
しかし、燈子の答えは「ごめん」。
それは侑の告白に対する答えではなく、今まで侑に負担をかけ続けてきたことに対する謝罪ではあるのですが、拒否されたと思った侑はその場から逃げ出してしまいます。
結局ここで追いかけられない時点で燈子の心の闇が完全に晴れた訳ではないことがわかります。足に蔦が絡まってる描写もありますし。
侑としても「好きにならない」という約束を破ってしまったわけで、拒否される可能性を考慮していたはず。それでも伝えずにはいられなかったわけですね。
この話の直前である33話で侑の姉である怜に何もしなくても関係は変わっていくものと諭されたことで背中を押された影響もあるのですが。
まさに33話のサブタイトルである「助走」。そして34話のサブタイトル「零れる」。この作品のサブタイトルの付け方は秀逸です。
侑の告白のシーンも気持ちを抑えきれずに零れてしまったという描かれ方をしています。すごい(語彙力)。
まとめ
濃密な6巻でした。読むほうとしてはしんどかったですが。
侑が燈子への恋心を自覚したのは原作の3巻の最後の体育祭(アニメだと9話)であることは明らかです。これは演出のおかげでアニメだと特にわかりやすいですね。
あの体育倉庫で自分から燈子にキスをすることを「超えちゃいけないライン」というのを自覚していたにもかかわらず、とうとう零れてしまった想い。うーん尊い。
7巻はなんか表紙から不穏なんですがどうなるんでしょうか。
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次は修学旅行ということで沙弥香の動きに注目ですね。そして侑は燈子がいない間に何を思うのか。
7巻が本当に楽しみです。ちょっと怖いけど(笑)。
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本ページの情報は2019年4月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXTサイトにてご確認ください。
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